Saturday, September 25, 2010

日本企業による海外企業買収が増加 円高追い風か

日本企業による海外企業の企業合併・買収(M&A)件数が増えている。情報会社トムソン・ロイターによると、今年は9月23日時点で354件と、すでに昨年1年間の349件を超え、1~9月の件数としては過去10年で最も多い。同社は、円高のため割安で海外企業を買収できることなどが、増加の背景にあるとみている。
 過去10年間をみると、毎年200~400件ほどで推移してきた。最も多かったのは2008年の410件。08年秋のリーマン・ショック後に経営危機に陥った米大手金融機関に対し、野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル・グループが買収、出資するなど「救済型」のM&Aが目立った年だ。
 今年目立つのは「業務拡大型」。6月にアステラス製薬が米国の医薬品企業を約3700億円で買収。7月にはNTTが南アフリカのITシステムサービス会社を約2860億円で買収することで合意するなど、海外での販路や顧客層の拡大を目指すケースが多いという。
 トムソン・ロイターの寺原朋美コマーシャル・マネジャーは「国内市場が頭打ちの中、海外に打って出ようとする企業は多い。円高の今が買収のチャンスととらえる経営者もいる」と指摘する。(千葉卓朗)

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